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■チーズの定義 |
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FAO/WHO (食糧農業機関/世界保健機関) によるチーズの定義
『チーズとは、フレッシュ又は熟成した、固形又は半固形の製品であり下記のいずれかに基づき製造されたもの。
(a)レンネット又はその他適当な凝固剤の作用により乳、脱脂乳、部分脱脂乳、クリーム、ホエークリーム、バターミルク 又はこれらのどんな混合物であっても、それらを凝固させ、この凝固物より 分離するホエーを部分的に流出せしめることで得られるもの。
(b)乳及び、または乳から得られる原料を用い、凝固を引き起こす加工技術により(a)に限定されている製品と同じ化学的、物理的、官能的な特徴をもつ最終的な製品。』 |
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■上の文章ではわかりにくく思われる方もいらっしゃると思いますが、チーズとは、牛乳をはじめとした「乳」をレンネット(レンニン)と呼ばれる酵素で凝乳(カード)と乳清(ホエー) に分離し、カードを熟成させることによって出来る食べ物の総称です |
■チーズの歴史
1.チーズの始まり
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■記録に残っている中で、もっとも古くから私たちが食べているような形のチーズを食べ始めたのは、
紀元前4000年の頃、古代シュメールの隊商達であったと言われています。
子羊の胃袋で作った袋にヤギの乳を入れて持ち歩いていたところ、気がつくと 乳は青白い液体と白くぶよぶよした塊に分かれていたのです。この白くぶよぶよした塊がチーズの材料である「凝乳(カード)」です。
胃袋の中には「レンニン」と言う酵素が含まれており、これが乳を固めて カードとホエーに分けたと言われています。レンニンによって乳をカードとホエーに分離し、カードを加工して作ると言う方法は、現代に至るまで変わっていません。 |
2.チーズの普及 |
古代ローマ帝国の時代になり、チーズは社会的に高級品として認識されて行き、裕福な家庭では積極的に食べられるようになりました。ローマ帝国の拡大に伴ってチーズも普及し、中世に入るとカソリックの修道士や農家の主婦たちが現在流通しているさまざまな種類のチーズの原型を作り上げていきました。
その後、ルネッサンス期に置いてチーズは健康によくないと言う迷信が流れ消費が落ち込みますが、19世紀ごろには工業生産体制が整い、現在のように世界的に普及することになるのです。
アジアに置いては、モンゴル族がヨーロッパでチーズが普及する前より馬や羊の乳で作ったチーズを食べていたと言う話もありますが、アラビアから主にシルクロードを通る隊商たちが乳製品の加工方法を伝来させ、仏教の経典に書かれている「醍醐」と言うチーズとバターの中間のような食べ物から「醍醐味」と言う言葉が取られているほど貴重なものとされていました。
日本にも飛鳥時代、仏教とともに朝鮮半島の百済から製造方法が渡来し、蘇(そ)や酪(らく)、醍醐(だいご)と言った古代乳製品が平安期まで作られ、貴族社会では今で言う所の「超高級サプリメント」的扱いで貴重がられてましたが、武家社会の成立により禅宗などが主張した「4つ足の獣の肉や乳を取ると獣になる」と言う迷信が定着したために廃れ、そのまま忘れ去られることになります。
この迷信は本来、「乳を出すもの」として牛を神聖視して、「牛を食べてはいけない」としたものが歪められ「4つ足の獣の肉や乳を取ってはいけない」とされてしまったのです。 |
3.近代日本のチーズ生産 |
■このように乳製品の歴史が一度途絶えてしまった日本ですが、江戸時代末期から開国によって乳製品は少しずつですが普及し始めました。
チーズも明治8年に横浜にて試験的に製造された後、明治33年に函館のトラピチヌ修道院で小規模ながら生産されるなどしましたが、本格的な工業生産としては1933(昭和8年)、当早来町遠浅にて 北海道製酪組合連合会(後の雪印乳業)が工場を建設の上、ゴーダチーズとエダムチーズの生産を始めたのが元祖となります。
戦前・戦中はなかなか普及しませんでしたが、戦後は食生活の欧米化などで普及し、今は国産輸入あわせてさまざまな種類のチーズが食べられる世の中になっております。 |
■チーズの種類
1.ナチュラルチーズとプロセスチーズ |
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■現在、私たち日本人が目にするチーズには、大きく分けてナチュラルチーズとプロセスチーズに分けられます。
このうちプロセスチーズはいくつかのナチュラルチーズを砕いて合わせ、乳化剤などでなじませたもので、皆様もよく目にしているものと思われます。それに対してナチュラルチーズは、乳から取り出したカードを加工したそのものであり、その熟成の期間、手順、加工の際に混ぜるもの等で膨大な種類が存在しますが、大きく分けると以下の通りです。
フレッシュタイプ
牛乳を加工したカードを固め、水切りしただけのチーズ。
比較的水分が多く、やわらかいのが特徴。
日持ちしないので、新鮮なうちに食べるのがお勧め。
代表例:
モッツアレラチーズ、クリームチーズ、カッテージなど
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白カビタイプ
熟成する際、表面に白カビを植えつけて熟成させるタイプ。
出来立ての頃は中心に芯がありますが、熟成させると
とろっとしたクリーム状になります。
代表例:
カマンベールチーズ など
青カビタイプ
カードを固める際、中に特定種類の青カビを混ぜて固めるタイプです。
カードに出来た隙間を縫ってカビが繁殖するため、大理石のような模様が特徴。ピリッとしたシャープな味とカビ独特のにおいが特徴。
代表例:
ブルーチーズ 、ゴルゴンゾーラなど。
ハードタイプ・セミハードタイプ
どちらもカードを固めた後、プレス機などで水分を出来る限り除き、長い時間をかけて熟成させるものです。比較的固めのものが多く、プロセスチーズの材料にも使われることが多いのである意味一番馴染みの深いチーズともいえるでしょう。
代表例:
ゴーダチーズ、チェダーチーズ等 |
■夢民舎チーズの製造工程
夢民舎チーズ製造の流れ |
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1.加熱殺菌・冷却・発酵 |
生乳を加熱殺菌後、冷却。発酵を助けるための乳酸菌、白カビを加える。 |
2.凝固・静置 |
子牛の胃からとった凝固材(レンネット)を添加。牛乳を豆腐状に固まらせる。これがカード(凝乳)と呼ばれチーズのもとになる。 |
3.切断 |
程よく固まったカードを1〜2センチ角のサイコロ状に細かくカットする |
4.攪拌・加温 |
カードがくっつかないよう注意しつつ静かにかき回しながら徐々に加温。カードが小さくなるにつれホエー(乳清)が出てくる |
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5.水抜き(ホエーの排除) |
カードが十分に収縮したら、ホエーのみ排出させる。底の輩出口から抜く方法や、すくって吊るす方法などさまざまだが夢民舎では独自の方法を行っている(企業秘密) |
6.型詰め・圧搾 |
カードを型枠(モールド)に詰め込み圧縮しながらホエーをさらに搾り出し整型する。力加減がポイント。ばらつきを出さないためには経験を要する。 |
7.加塩・予備熟成 |
加塩の方法はチーズによって異なるがカマンベールの場合無添加自然塩の塩水に漬け込む。その後約5日ほど予備熟成させ表面に白カビを生育させる。 |
8.フィルム包装・本熟成 |
表面に白カビがきれいに生育したらフィルムで包装し一定の温度に保たれた熟成室で3〜4週間寝かせる。 |
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